クレマチスの冬越しは、地域や品種、鉢植えか地植えかによって対策が変わるため、何をどうすればよいのか分かりにくく感じる方も多いです。特に北海道のように寒さが厳しい地域では、置き場所や防寒を誤ると株が枯れることもあり、不安になりやすいテーマです。
さらに、冬の間の水やりや肥料の与え方、剪定をいつ行うかといったポイントも、間違えると翌春の花つきに影響すると言われています。発泡スチロールなどを使った防寒グッズの活用、冬咲きの品種と春咲きの品種での管理の違いなど、知っておきたい情報はたくさんあります。
この記事では、クレマチスの冬越しについて、鉢植えと地植えそれぞれの対策や置き場所のコツ、品種ごとの注意点、そして枯れるのを防ぐための具体的な管理方法を、順を追って分かりやすくまとめていきます。
地域や品種別の具体的な冬越し対策
冬の剪定や水やり肥料の実践ポイント
枯れるのを防ぐ冬越しチェックリスト
クレマチスの冬越しの基本ポイント

- クレマチスの品種と冬越し
- 北海道でのクレマチス冬越し
- 冬咲きクレマチスの管理
- 鉢植え地植え別の冬対策
- 置き場所選びと防寒の考え方
クレマチスの品種と冬越し
クレマチスと一口に言っても、花の咲き方や生育のタイプによって冬越しの考え方が変わります。代表的な区分は次の三つです。
- 新枝咲きタイプ
- 旧枝咲きタイプ
- 新旧両枝咲きタイプ
新枝咲きタイプは、インテグリフォリア系やテキセンシス系などがあり、冬の間に地際付近まで枯れ込んだような姿になりますが、春になると地際や地中から新しい芽が伸びて花をつけます。このタイプは強剪定に耐えやすく、冬の終わりから早春にかけて地際から一〜三節を残して切り戻す管理が基本となります。
旧枝咲きタイプは、モンタナ系やアーマンディー系などで、前年に伸びた枝の節から短く新芽が伸び、その先に花が咲きます。冬の段階ですでに節にふっくらとした花芽がついていることが多く、その花芽を残すように注意しながら枝を整えます。切りすぎると花芽ごと失うおそれがあるため、剪定位置の見極めが冬越しの大きなポイントになります。
新旧両枝咲きタイプは、フロリダ系やラヌギノーサ系などで、前年の枝にも、当年伸びた枝にも花が咲きます。冬の剪定は旧枝咲きに近く、古い枝を整理しつつも花芽を残すように軽めに行います。
このように、クレマチスの冬越しでは、まず育てている株の品種や系統を把握し、新枝咲きなのか、旧枝咲きなのか、新旧両枝咲きなのかを知ることが管理方法を選ぶうえでの出発点になります。
北海道でのクレマチス冬越し
北海道のように冬の冷え込みが厳しい地域では、本州の平地よりも一段階シビアな冬越し対策が求められます。クレマチスは本来、ある程度の寒さにあうことで春の花つきが良くなると言われていますが、極端な低温や乾いた寒風に当たり続けると、つるが凍結して裂けたり、地際部分が傷んだりしやすくなります。
露地で育てている場合は、根を守るためのマルチングがとても役立ちます。バークチップや落ち葉、腐葉土などを株元に厚めに敷き詰めることで、土の温度変化を和らげ、凍結と乾燥のダメージを軽減できます。
鉢植えの場合は、土の量が少ない分だけ凍結しやすいため、より丁寧な防寒が必要です。
- 軒下や建物の壁際など、風が直接当たらない場所へ移動する
- 発泡スチロールのトレーや板に鉢を乗せ、地面からの冷えを遮る
- 必要に応じて、不織布や寒冷紗で鉢全体をやさしく覆う
といった工夫を組み合わせると、北海道の冬でもクレマチスを傷めにくくなります。
また、北海道では春の訪れもゆっくりなので、雪解け後にいきなり強い日差しに当てるのではなく、徐々に日光に慣らすことも大切です。急な環境変化を避けながら、ゆっくりと春の生育モードに切り替えていくイメージで管理すると安定しやすくなります。
冬咲きクレマチスの管理
シルホサ系やユンナンエンシスなど、冬から早春にかけて咲く冬咲きのクレマチスは、一般的な大輪系とは少し違う管理が求められます。寒さにはある程度強いものの、花の最中に強い冷え込みや冷たい風が続くと、花やつぼみが傷んでしまうことがあります。
冬咲きの品種では、真冬のあいだも葉が残る常緑型が多く、完全に落葉するタイプに比べて寒風の影響を受けやすい傾向があります。そのため、
- 風を防げる軒下や塀の内側などに誘引する
- 強い霜が予想される夜は、不織布などで花房を軽く覆う
- 雪が積もる地域では、つるが雪の重みで折れないよう支柱を補強する
といった配慮が冬越しと開花を両立させるポイントになります。
剪定については、冬咲きの多くが旧枝咲きやそれに近い性質を持ち、花後に軽めの剪定で枝を整える程度にとどめる場合が多いです。花が咲いている最中に強く切り詰めると、次の花芽を減らしてしまう可能性があるため、花後の様子を見ながら少しずつ整理していくと扱いやすくなります。
鉢植え地植え別の冬対策
鉢植えと地植えでは、同じクレマチスでも冬越しのポイントが変わります。
鉢植えは土の量が限られているため、温度や水分の変化が大きく、寒さや乾燥の影響を受けやすい状態です。特に冬の冷え込みが厳しい地域では、鉢の側面や底から冷気が伝わり、根が傷むことが枯れ込みの原因になることがあります。
鉢植えの冬越しでは、
- 鉢を発泡スチロールのトレーに乗せる
- 壁際やベランダの奥など、風当たりの弱い場所に移動する
- 可能であれば、二重鉢にして断熱効果を高める
といった工夫が効果的です。また、二年に一度程度の植え替えを冬場に行うことで、根詰まりを防ぎ、株の健康を保ちやすくなります。植え替え時は根鉢を大きく崩し過ぎず、一回り大きな鉢にやや深植えにする方法がよく用いられます。
一方、地植えの場合は土の量が多く、極端な凍結が起きにくいため、鉢植えほど神経質にならなくても冬越しできることが多いです。ただし、
- 北風が強く当たる場所
- 霜柱が立ちやすく、何度も土が持ち上がる場所
などでは根が持ち上がって乾きやすくなるため、株元のマルチングや風よけの設置が役立ちます。地植えでも、植え付けて一年目の若い株は特に寒さの影響を受けやすいので、成株よりもしっかりめの防寒を意識すると安心です。
置き場所選びと防寒の考え方
クレマチスの冬越しをうまく進めるためには、品種だけでなく置き場所の条件を見直すことが欠かせません。冬の間も日当たりが良く、かつ強い風が直接当たらない場所を選ぶことが基本になります。
冬は日が低くなるため、夏場は日なたでも、冬になると建物の陰になってしまう場所も少なくありません。冬越し用の置き場所としては、
- 冬でも午前中に日が差し込む東向きの場所
- 南向きだが風が遮られる、壁際や軒下
などが扱いやすくなります。
防寒については、寒さを一切感じさせないように完全に囲うのではなく、クレマチスが本来必要とする適度な低温と、過度な凍結や乾燥とをバランスよく調整するイメージが大切です。
鉢植えの場合は、
- 地面から浮かせる
- 風を避ける
- 必要に応じて鉢や株元を覆う
といった段階的な防寒を組み合わせることで、冬の環境を整えやすくなります。
クレマチスの冬越しの実践手順

- 剪定はいつ行うかの目安
- 冬の水やり頻度と注意点
- 冬越し前後の肥料の与え方
- 発泡スチロールを使った防寒
- 冬にクレマチスが枯れる原因
- ポイント総まとめクレマチスの冬越し
剪定はいつ行うかの目安
クレマチスの剪定をいつ行うかは、冬越しと翌春の花つきを左右する大きな要素です。剪定のタイミングは、先ほど触れたように、咲き方のタイプによって変わります。
新枝咲きタイプの剪定の目安
新枝咲きタイプは、冬の時期に地上部がほぼ枯れたような姿になり、春に新しい枝を伸ばして花を咲かせます。この性質を踏まえると、
- 冬の終わりから早春(2〜3月頃)
- 霜のピークが過ぎ、作業しやすい日
を目安に、地際から一〜三節を残す強めの剪定を行う方法がよく用いられます。古い枝を大きく切り戻すことで、新しい芽に養分が集中し、元気なつるを伸ばしやすくなります。
旧枝咲き・新旧両枝咲きタイプの剪定の目安
旧枝咲きや新旧両枝咲きは、前年の枝の節に花芽をつけて冬を越します。冬の段階で節の部分に丸くふくらんだ花芽が確認できることが多く、その位置より上を切ってしまうと花芽ごと失うおそれがあります。
そのため、
- 花芽がはっきりしてくる晩冬から早春
- 枝の節を指で触れ、ふくらみを確認しながら
花芽を残す位置で軽めに剪定するのが基本です。完全に枯れた枝は冬のうちに取り除き、迷う枝は春に芽吹きを確認してから追加で整理すると失敗を減らせます。
剪定 いつ行うかを迷ったら、まずは花芽の位置と枝の状態をよく観察し、強く切るのか、軽く整えるのかを判断することが大切です。
冬の水やり頻度と注意点
クレマチスの冬越しでは、水やりの頻度も季節に合わせて調整する必要があります。休眠期に入り、地上部が枯れたような姿になると、つい水を切りすぎてしまうことがありますが、根は生きているので完全な断水は避けるべきです。
鉢植えでは、
- 表土が白っぽく乾いてから
- 暖かい日の午前中に控えめに与える
というリズムが目安になります。冬は気温が低く、蒸発量も少ないため、夏と同じ感覚で水やりすると過湿になりやすく、根腐れの原因になることがあります。鉢底からしっかり水が流れる程度に与えたら、受け皿にたまった水は捨てておきます。
地植えの場合は、冬の降雨が続く地域では、特別な水やりをしなくても足りる場合が多いです。ただし、
- 雪が少なく、冬でも乾燥しやすい地域
- 軒下で雨が当たらない場所
などでは、とくに春先の芽吹き前から花が咲き始めるまでの時期に水切れしないよう、土の状態を見ながら補水すると花数を減らさずにすみます。
冬の水やりでは、冷たい水を夜遅くに与えると凍結のリスクが高まるため、なるべく午前中の比較的暖かい時間帯に行うことも心がけたいポイントです。
冬越し前後の肥料の与え方
クレマチスは、春から秋にかけてよく成長し、花を次々と咲かせるため、シーズン中は定期的な肥料が求められます。一方で、冬越しの期間は地上部の生育がほぼ止まり、根の活動もゆっくりになるため、肥料の与え方を切り替える必要があります。
一般的には、秋の終わりまでにしっかり追肥を行い、真冬の厳寒期には新たな肥料を控える流れがよく用いられます。冬のあいだに窒素分の多い肥料を与え続けると、無理な新芽が出て寒さで傷むおそれがあるためです。
冬越しに向けた肥料のタイミング
冬越し前後の大まかな流れは次のように整理できます。
| 時期の目安 | 肥料の考え方 | 備考 |
|---|---|---|
| 秋の終わり | 緩効性肥料や有機質肥料で養分を補う | 冬の休眠に入る前に体力を蓄える |
| 真冬 | 原則として新たな肥料は与えない | 過剰な芽出しを防ぎ、根を守る |
| 早春〜芽吹き前 | 緩効性肥料を株元に施す | 春の成長と開花に向けたスタートダッシュ |
| 開花期〜生育期 | 状況を見ながら追肥を継続する | 四季咲き品種では特に継続が鍵となる |
鉢植えでは、用土中の養分が少なくなりやすいので、早春の緩効性肥料と、成長期の固形肥料を組み合わせると安定しやすくなります。地植えの場合は、堆肥や有機質肥料をすき込むことで土全体の肥沃さを高める方法がよく使われます。
冬越し中は、肥料による成長促進よりも、根を健全に保つことが主な目的になります。そのため、真冬は肥料を控えめにし、春の再スタートのタイミングでしっかりと養分を補う流れを意識すると管理しやすくなります。
発泡スチロールを使った防寒
発泡スチロールは軽くて断熱性が高く、クレマチスの冬越しにとても便利な素材です。鉢植えの防寒では、発泡スチロールのトレーや箱を活用することで、地面から伝わる冷気や凍結から根を守りやすくなります。
発泡スチロールを使った具体的な方法としては、次のようなものがあります。
- 発泡スチロール箱に鉢ごと入れ、隙間に新聞紙や落ち葉を詰める
- 発泡スチロールの板の上に鉢を並べ、底冷えを軽減する
- 複数の鉢を寄せて発泡スチロールで囲み、簡易的な防寒コーナーを作る
このとき、完全に密閉してしまうと風の通りが悪くなり、過湿やカビの原因になることがあるため、上部は開けておくなど、通気を確保する工夫も必要です。
また、発泡スチロールは屋外で長期間使用すると劣化しやすく、破片が飛び散ると見た目の問題やゴミの原因にもなります。風で飛ばされないように、重しを乗せたり、目立たない場所で使ったりといった配慮をしておくと安心です。
発泡スチロールを上手に活用することで、特に寒さの厳しい地域や、ベランダなど地面からの冷えが気になる環境でも、クレマチスの冬越しを安定させやすくなります。
冬にクレマチスが枯れる原因
冬のあいだにクレマチスが枯れると感じる場面には、いくつかのパターンがあります。一見完全に枯れてしまったように見えても、地際や根が生き残っていて春に再び芽吹く場合もあれば、本当に株がダメージを受けてしまっていることもあります。
冬にクレマチスが枯れる主な原因としては、
- 強い寒さや乾いた寒風による地上部やつるの凍結
- 鉢植えでの過度な乾燥や、逆に過湿による根腐れ
- 根詰まりや古い土のまま長期間育てたことによる根の疲れ
- 病気や害虫が夏から秋の間に進行し、冬に症状が表面化したケース
などが挙げられます。
特に鉢植えでは、冬の強風と乾燥によって知らないうちに土が乾き切ってしまうことや、寒さを心配するあまり水を与えすぎてしまうことも、枯れると感じる原因になりやすいです。
また、クレマチス特有の病気として、白絹病や灰色カビ病、うどんこ病などがあります。これらは高温多湿の時期に発生しやすいとされていますが、冬のうちに石灰硫黄合剤などで予防的な散布を行い、古い葉や枯れ枝を整理しておくことが、翌シーズンの発病リスクを下げることにつながります。
冬にクレマチスが枯れるように見えても、まずは地際部分を確認し、幹に弾力があるか、根元が完全に腐っていないかを観察することが大切です。根が生きていれば、春に新芽が出てくる可能性が十分に残っています。
ポイント総まとめクレマチスよの冬越し
- クレマチスの冬越しでは品種の咲き方タイプを最初に確認する
- 新枝咲きは地際から一から三節を残す強剪定で春の芽を促す
- 旧枝咲きや新旧両枝咲きは花芽を残す軽い剪定で花数を守る
- 北海道など寒冷地では株元のマルチングと風よけが鍵になる
- 冬咲き品種は常緑の葉と花を寒風や霜からやさしく保護する
- 鉢植えは土量が少ないため凍結と乾燥を防ぐ防寒対策が不可欠
- 地植えは一見安心でも北風や霜柱の影響を受けない場所を選ぶ
- 冬の水やりは表土が乾いてから午前中に控えめに与える
- 真冬は肥料を控え早春の芽吹き前に緩効性肥料で再スタートする
- 発泡スチロールの箱や板で鉢を囲み底冷えを和らげると根を守れる
- 冬にクレマチスが枯れるのは寒風乾燥過湿根詰まり病害などが要因
- 完全に枯れたようでも地際が生きていれば春の芽吹きの望みは残る
- 冬のあいだに枯れ枝と病葉を整理し病害虫の予防散布を行うと安心
- 置き場所は冬も日が当たり風が弱い東向きや軒下などを優先する
- これらを押さえればクレマチス 冬越し後も毎年の花を長く楽しめる



